この言葉は辞書には存在せず、新規事業などに使われることの多い造語です。
未常識は、“未だ常識でないもの”
つまり、今後“常識“になり得る可能性を秘めた領域のことを指します。
目次
未常識領域に秘められたビジネスチャンス
未常識領域は“未だ常識でないもの”を指すと冒頭でお話ししました。
これは言い換えると市場に出回っていないブルーオーシャンな領域と言えるでしょう。
例えば、携帯電話を例にあげて見ましょう。
携帯電話の非常識
携帯電話が初めて誕生する1985年以前。
電話といえば、一家に一台の固定電話が主流でした。
そもそも電話機を持ち歩くということ自体が考えられもしない時代。
当時の人はそれが当たり前なので特に不便もしなかったでしょう。
携帯電話の未常識
1985年現在のドコモであるNTTが一般向けにレンタルを開始しました。
そう、これです。
※以下、お笑いナタリーさんの記事より引用
なんと重さが3kgもあったようです。
お値段も基本料金が毎月2万円程度、通話料金も1分100円という非常に高価なものでした。
さらに、数時間の充電でわずか数十分の利用しか出来なかったようで、今では考えられない商品でした。
圧倒的ブルーオーシャンな市場。
誰も参入しようと思わなかった市場。
NTTはこの市場で成功するビジョンが見えていたのでしょう。
しかし、当時の人からは
・こんなもの誰が使うの
・こんなものいらない
・流行るワケがない
と批判的な意見がほとんどだったようで、なかなか売れない状況が続いたようです。
それから数年、様々な改良がされて1990年代にやっと見覚えのある携帯電話が登場しました。
同時に90年代にはブルーオーシャンな未常識領域にビジネスチャンスを感じたソフトバンクが参入し、携帯電話会社の競争が激しくなっていきました。
携帯電話の常識
1990年代の携帯電話の登場により、それ以降“一家に一台“だった電話は“1人に1台”の時代になっていきました。
まさに“未常識”が“常識”に変わった非常にわかりやすい例です。
現在は、携帯電話やスマートフォンは生活必需品の1つとして、我々の生活の常識となっており、持っていることが当たり前の常識です。
なくなったら困るものNo1くらいの必需品といっても過言ではありません。
NTTの小ネタ
未常識領域のビジネスチャンスのわかりやすい例として、NTTの携帯電話の例を出しました。
NTTが「1985年の最初のシモシモ電話」から「1990年代の見覚えのある携帯電話」までに改良する開発、研究費はどのように調達したのかご存知でしょうか?
銀行からの融資? いいえ、違います。
既存事業からの調達? いいえ、違います。
販売代理店への権利譲渡費用からです。
やはり、銀行は凝り固まった保守的な考えですので、「未常識な領域への融資を受ける」というのはそう簡単にできるものではありません。
ここでNTTは法人や芸能人などを対象にリターンとして“会社の収益の一部を永久に還元する約束“のもと、代理店権利の販売を始めました。
当時この代理店権利を購入し、一次代理店となった有名どころとして、叶姉妹があげられます。
テレビで見ると非常にゴージャスでファビュラスな生活。
どこからお金が入っているのだろうと不思議に思った方も多いかと思われます。
叶姉妹のお祖父様がこのNTT一次代理店の権利を購入し、その権利を叶姉妹に譲渡しているんですね。
現在ドコモは携帯会社TOP3に入っており、リターンとして約束していた報酬も今では毎月7,000万円という膨大な額となっているようです。
創業期の参入恩恵は計り知れないものがありますね。
なかなかこのような美味しい話に出会える機会はないと思いますが、機会損失にならないよう常にアンテナは張り巡らせていたいですね。
まとめ
未常識領域は“未だ常識でないもの”
つまり、ブルーオーシャンな領域とほぼ同じようなものだといえます。
ブルーオーシャンな時期に参入することによって、大きな利益を上げることができる可能性が十分にあります。